チューリンのブログ

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オミクロン株レポート

新型コロナウイルス「オミクロン株」とは?​

 オミクロン株とは、2021年11月24日に南アフリカから報告された新型コロナウイルス変異株の1種です。2日後の11月26日、WHO(世界保健機関)はこの変異株を懸念される変異株とし「オミクロン」と名付けました。(オミクロンは24あるギリシャ文字の15番目にあたります)

 オミクロン株の特徴として、ウイルス表面に突き出たスパイク数がデルタ株の約3倍もあり、このため人の呼吸器系細胞への親和性が高く、人細胞内へ侵入しやすい構造になっていると考えられています。事実、オミクロン株はこれまでの株よりも数段感染力が高いという結果が出ています。

 今後、新規感染の中ではオミクロン株が中心になっていくものと思われます。イギリスでも感染者のうちこれまでベータ株であったものがオミクロン株に95%置き換わったという報告がなされています。

 また、オミクロン株は、一日の感染者数においても世界の主要各国で記録を更新しています。イギリスでは一日20万人を超えて過去最大となっており、フランスでは27万人、アメリカでも100万人以上と、一日の感染者数としては過去最大値を更新しています。

        男女研究員イラスト 研究所のふたり​​



 
​オミクロン株の重症化はどの程度?​
 レポートによると、オミクロン株に感染した場合、他の変異株に感染した場合よりも、症状が軽い傾向にあることが報告されています。

 オミクロン感染者はデルタ感染者より、病院にかかるリスクが20〜25%、入院するリスクは40〜45%ほど低い。(英国インペリアルカレッジレポート)
 オミクロン感染者はデルタ感染者に比べて入院するリスクが3分の2ほど低下している。(エディンバラ大学レポート)
 他の変異株の感染者の入院は1.6%であったのに対し、オミクロン感染者の場合は0.6%ほどの入院であった。(デンマークの例)
 オミクロン株は人の気管支内で、デルタ株や通常株が速く増殖するのと対照的に、肺内での増殖速度は非常に遅く発症から入院までに時間がかかる。(香港大学レポート)
 
 以上のレポートなどの結果から、オミクロン株は次のように特徴づけられることが分かりました。

 オミクロン株は感染力がひじょうに高く、感染してから発症するまでの潜伏期間は、3日前後で、これはデルタ株の5日より潜伏期間が短いとされています。しかし、オミクロン株は、重症化しにくく、人の呼吸器系に侵入しても肺炎を起こしにくいということが分かりました。つまり、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、デルタ株などと比べて肺まで達して重症化するリスクが低いというものです。

 また、回復までが早いというのも特徴で、厚生労働省の報告では、92.3%が無症状か軽症で、中等症は7.7%。人工呼吸器などを装着した重症者はいなかったということです。これにより、オミクロン株は感染力が高く、発症しても深刻な肺炎になることが少なく軽症に終わる可能性が高いということが分かります。

 ただし、オミクロン株は重症化しないから怖くないと考えるのは早計です。市中感染(経路がたどれない感染)での、爆発的な感染者の増大は、軽症重症を問わず、医療機関を麻痺させて、医療崩壊をまねくリスクがあるからです。また、オミクロン株の死亡率、ワクチンの効果がどの程度有効なのか、詳細は今後の調査を待たねばなりません。

      ドクターイラスト・感染予防対策万全のかわいい医師​​




オミクロン株への今後の対応方法​​
 オミクロン株への再感染の可能性は、デルタ株での再感染よりも5.4倍起こりやすいという報告がなされています。ワクチン未接種の場合6.36倍、ワクチン接種後では5.02倍というデータがあります。

 オミクロンはデルタと比較すると重症化しにくい可能性がありますが、感染者の絶対数が増加すれば、それに比例して入院を要する人、重症になる人も増えてしまいます。

 引き続き一人一人がマスク・手洗い・人混みをなるべく避けるなどの感染対策を徹底することが、自分や周囲の人を守ることにつながります。気を緩めることなく、感染拡大防止に努めていきましょう。

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            コロナマスクイラスト・病院​
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