チューリンのブログ

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女性は男性よりも鬱になりやすい?

​​女性の身体のメカニズム​​

 「女心と秋の空」という諺がありますが、女性は気持ちが変わりやすく、悲しくて泣いているかと思えば、舌の根も乾かぬ間に、機嫌がなおったのか屈託のない笑顔でコロコロと笑っている。そういうシーンを見た人も多いのではないでしょうか?

 では、女性はどうして気分が変わりやすく感情的になりやすいのでしょうか?この答えは女性ホルモンとの関係にありそうです。女性ホルモンには、卵巣から分泌される「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つがあり、脳からの指令によって卵巣から分泌されることが分かっています。

 エストロゲンには、女性らしさをつくるホルモンで、女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンです。成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育、維持させる働きをもっています。20代でピークを迎え、およそ20年間の性成熟期を経て、やがて少しづつ減少傾向をたどりながら50歳前後の更年期になると、分泌量は急激に減っていきます。

 一方、プロゲステロンは妊娠の準備のためのホルモンとも言えます。基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させ、乳腺を発達させる働きもあります。この2種類のホルモンは、特に妊娠・出産の準備、維持などの重要な役割を担っていますが、ごくわずかな量で作用するため、ちょっとしたバランスの乱れでも心身のさまざまな不調につながってしまうのです。つまり女性ホルモンと身心の状態には密接な関係があるということです。
 
 女性ホルモンは月経周期、妊娠・出産、更年期などの変化に影響を受けて急激に分泌量が変化します。心身が不調になったり、自律神経のバランスが崩れたりするのはこのためです。
    
          女医イラスト・献血イラスト
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女性特有のうつ​​
 女性のうつ病患者数は男性より多く、どの年齢層を見ても女性が男性を上回っています。女性にうつ病が多いのは、女性ホルモンの変動が心や体に影響を与えるからだとされています。

 女性ホルモンは、月経周期、妊娠・出産、更年期と身体の変化に影響を受けて急激に変化します。出産後に、なぜか憂鬱になったり涙がとまらなかったり情緒が不安定になったりするマタニティブルーズといわれる症状がそうで、程度の差はあれ多くの女性が体験するものです。

 マタニティブルーズは急激な女性ホルモンの低下など内分泌環境の変化に伴って起こる症状で、食欲がない、眠れない、何もやる気が起きない、無性にイライラする、わけもなく涙が出るなど、心身ともにさまざまな影響を与え、情緒を不安定にさせる症状ですが、たいてい2週間以内に治まる一過性の抑うつ状態とみていいでしょう。しかしひどい場合は重症となり、脳機能のバランスが崩れてうつ病を発症してしまうこともあります。 これが産後うつと呼ばれる状態ですが、くよくよ一人で悩まずに早めに産婦人科医にサポートを受けた方がいいでしょう。

 女性はマタニティブルー以外にも女性特有のライフイベント(結婚、妊娠・出産、育児、介護など)から、ストレスを受けやすく気分が変わりやすいことが多いのも事実です。更年期ではのぼせや発汗、動悸、頭痛など、更年期に表れやすい症状は多くの女性が経験しますが、これは卵巣の機能低下に伴い女性ホルモンの分泌が減少することから、様々な症状が心身に現れる時期で約10年ほど続きます。

 この期間、頭痛・ほてり・のぼせ・発汗・手足のしびれ・便秘・めまい・肩こり・腰痛・冷え・動悸・胸やけ(身体的症状) 不眠・憂うつ・不安・イライラ・倦怠感・集中力、記憶力、意欲の低下(精神的症状) などさまざまな気分の落ち込みや、イライラする精神症状が起きますが、これがあまり強くなると 更年期うつに移行する場合もあります。

       ​ 診察イラスト 優しい医師と看護師






 
​​ストレスの予防と対策​​
 うつ病の治療で最も大切なことは休養を十分にとることです。心と身体の両方を休ませることが何よりも治療につながります。怠けていると周囲から思われないだろうか? などと心配になる場合は、入院して家事や仕事と距離をおくことも選択のうちの一つです。むしろその方が家族の理解も得やすくなるかもしれません。

 この頃、少しうつ的かなと感じたら、これまでのライフスタイルを若干変えてみるのもいいでしょう。不規則な生活習慣がうつを招く要因にもなりますので、規則正しい生活を心がけて、とくに朝のうちは午前中のきらめく陽光を浴びるのもよいでしょう。日光を浴びることで、セロトニンという脳内物質が分泌されることが分かっています。セロトニンはストレスに効果があり、イライラ感を鎮め、気分安定剤の効果を発揮します。朝のうちの30分ほど浴びると効果的です。
 
 また、好きな音楽を聴いたり、映画を観て感動することも効果的です。ワクワクしたり、ドキドキしたり、面白いものを見て笑ったり、感激して涙を流したり、心ときめく瞬間は、脳内にドーパミンを増やし、女性ホルモンのエストロゲンの分泌を促します。きれいな花々の咲く公園を気ままに散歩してみる、ヘルシーな食生活を心がける、いやなことは自分の中にだけため込まないで信頼できる友人に話を聞いてもらうことも効果的です。
 
 日ごろ着ている服装が窮屈で無理な服装である場合もストレスの原因になるので、家で過ごすときは、心身共にリラックスできるゆったりした服装で過ごしましょう。また​​、ハーブティーを飲むことも自律神経を安定させる効果があります。寝る前にハーブティを飲むことを習慣づけると、心が落ち着いて、より良質な睡眠をとることにつながるでしょう。そのほか、気ままに読書してみたり、好きな香りのするお風呂にゆっくりつかったり、会話をする際、意識的に優しい言葉遣いに変えてみるなど、日常のちょっとした工夫が、乱れたホルモンバランスを改善し、憂鬱なストレスからの解放を約束してくれます。
 
 ストレスは、私たちが生きていく上で避けることのできないものですが、うまく対応することができれば自分自身のこころの成長にもつながります。でももし、うまく対処できずストレスに押しつぶされそうになったら、やせ我慢をせずに専門家に行って相談しましょう。何ごとも大事に至らないようにすることが大切です。

 ストレスを自分自身でコントロールする術を身に着けられれば、逆に人生を実り豊かなものにすることもできるはずです。さあ、あきらめずに今日から頑張りましょう。
 
         家族イラスト 家のドアから手をふる明るく楽しい家族​​







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